若年者の眼瞼下垂(part.2)
こんにちは。形成外科認定専門医・博士の中村優です。
今回も眼瞼下垂の術後変化について症例写真を見つつ、解説していきます。
前回は男性の方だったので、今回は女性の方です。
それでは解説。
①手術デザインについて
他院にて埋没法を行われていますが、既に右内側は取れている状態です。
今後の方策として埋没の留め直しも一つの手ではあったのですが、眼瞼下垂もあるため、今回はその治療を行うことにしました。
そのため二重幅は最も効率よく瞼が開くやや控えめの末広の二重にしています。
②手術結果
開瞼時(左列)で一目瞭然の開瞼量の改善が得られています。左右差もほぼありません。この方の場合、挙筋腱膜の状態が左右で違っていました。
左の腱膜は前転していませんでしたが、右のみ前転を行って左右差を調整しました。
…という、内部の操作では左右同じことをしておらず、調整した結果として左右の均一性を出しています。
合理的な治療の結果、額への依存がなくなり強開瞼時の額、瞼の力の入り方が変わっているのが分かると思います。額を使わずに瞼が開くことで、上瞼内側部分の凹みが目立たなくなったのも特徴的です。
③本人の感想
美人になりすぎて、昔の同級生に会ったら目つき変わったのバレました。
⇒本当、印象かなり変わりましたもんね。術後は控えめに言っても美人だと思います。
あと渋谷事変のお話するの楽しかったです。
主訴:目の開きづらさ
診断名:眼瞼下垂
患者:20代・女性
治療内容:挙筋前転
リスク・副作用:腫れ、内出血、左右差、感染、イメージ違い
元に戻せない、修正困難、傷目立つなどのリスクあり
手術費用:保険適応3割負担で43200円(1割負担であれば、14400円)。
その他術前検査、術後の診察代、薬剤の費用が別途あり。
今回も患者さんのご厚意で症例写真をネットに上げることに許可いただきました。
手術について検討されている方の参考になれば幸いです。ありがとうございました。
ということで、今回はここまで。