美容・形成外科医 中村優のブログ

美容・形成外科・メディカルイラストレーションなどについて書いていきます。

ザッツ形成外科!! ~鼻の骨が折れるってどういう状態?~

形成外科認定専門医・博士の中村優です。こんにちは。

 

今回は形成外科が何をしている科なんだか紹介していきたいシリーズ第4弾!
テーマは鼻骨骨折です。

 

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さて、前半部分は忠実に原作の模写をしたものになるわけですが、果たして劇中でウソップが折られたのはなんなんでしょう。


イマジナリー鼻骨ですね。
軟骨だったんでしょうか?


腕とか脚の機能性部位の骨折は動かすたびに痛いので、ほぼきちんと整形外科で治療されます。ですが、鼻骨含め顔面骨骨折は意外と放置されて、そのままの位置で変形治癒しちゃう事が少なくありません。

整容面だけなら、ほっといてもいいんでは?と思われるかもしれません。
いえいえ。人間はコミュニケーションを取り社会生活をする生き物なので、コミュニケーションを取る上での大事な媒体、顔、表情は大事な機能なのです。その機能不全を、形成外科はどの科よりも哲学持って治療しているってわけなのです。


あと。
最後のイラストでは、いででで、とか言わせてますが、鼻骨骨折の整復は実際には麻酔をかけて行います。全身麻酔、鎮静、局所麻酔など、その先生ごとに流儀は違います。
ちなみに僕は局麻派。眼窩下神経ブロック+鼻腔内ボスキシガーゼ浸潤+鼻腔粘膜局注の3種を組み合わせると無痛で出来ます。無痛なので整復も心穏やかにできるのです。

これはその他鼻の手術についても同じことが言えます。鼻骨骨切りとかくらいであれば、それらの麻酔で管理できちゃいます。

 

 

それでは今回はここまで。


2021/7/10 中村優