あけましておめでとうございます。
予定表、城本分以外も含めたヤツ今後ブログに上げてきます。
今後手術を検討されている方の何かの参考になれば幸いです。
それでは今回はここまで。
2023/1/7 中村優
形成外科認定専門医・博士の中村優です。こんにちは。
今回は頬顎下脂肪吸引の術後経過をお出しします。
まずは動画での手術イメージを。
顔の脂肪吸引は術前(麻酔注入後でぷくぷく)と吸引直後、みたいなズル映え比較動画の温床です。そんなものぷくぷくに麻酔打ってあるところから吸引すれば必ず良く見えますからね。
— 絵を描く形成&美容外科医👨🎨中村まさる (@MI_PRAS_Masaru) 2022年11月6日
この動画は術前(麻酔注入前)と吸引直後の比較です。
そして、実際の経過比較は…ブログの方に載せてあります。 pic.twitter.com/czHnvRTWGw
脂肪吸引はどこでも言えることですが、吸えば吸うほど効果が出る…と言うものではありません。骨格に合わせて、今回の場合は顎下はしっかり吸いますが、頬部分はガッツリ吸ってしまうとコケてしまうのでそこら辺はしっかり患者さんに合わせて調整していきます。
吸引するのは頬から顎にかけてのライン。そして顎裏の部分。
術前に見られる二重あごの部分がシュッとしたことがわかると思います。
術後1ヶ月の時点で顎先にヒアルロン酸を1CC入れています。
そうすることで顎がシュッとして輪郭のシャープさに磨きがかかります。
ということで最後に最初と完成(術後半年)との比較です。
顎下部分のシャープなくびれ感!いいですね〜
顎下のお肉のハンモックがなくなりました🥰
そしてボリュームダウンだけではなく、最後に仕上げの顎ヒアルをすることで全体にメリハリのある輪郭とすることができました。
Eラインも美しくなりました。
ということで、モニターご協力ありがとうございました!
治療内容:頬・顎下脂肪吸引、ヒアルロン酸注入
価格:モニターで約450000円(静脈麻酔代込)
注意事項:腫れ、内出血、左右差、感染、イメージ違い、脂肪塞栓、貧血、皮膚凸凹、蜂窩織炎などのリスクあり
今後手術を検討されている方の何かの参考になれば幸いです。
それでは今回はここまで。
2022/11/06 中村優
形成外科認定専門医・博士の中村優です。こんにちは。
マイナー外科である形成外科の治療疾患を紹介しようシリーズ第10弾!
今回はヤケド(熱傷)の治療編、植皮です。
と、生着するまで無呼吸で活動を続けるスキングラフトくんの物語でした。
数分無酸素だと不可逆的なダメージが入る脳と比較すると、これとんでもない事が起きてますよね。酸素の必要量を減らせるため皮膚移植はペラペラに薄いほど生着率は良くなります。けれど、もちろん質感は悪くなる。
じゃあ、分厚い組織移植をするためにはどうすれば良いか…?
血流が乗った状態で組織移植をすればいいんだ…!→局所皮弁
血流を再開させて組織移植をすれば良いんだ…!→遊離皮弁(ザッツvol.5参照)
と考えるわけです。欠損に応じた過不足のない治療方針を立てるのが形成外科診療の醍醐味です。
それでは今回はここまで。
2022/11/02 中村優
形成外科認定専門医・博士の中村優です。こんにちは。
マイナー外科である形成外科の治療疾患を紹介しようシリーズ第9弾!
今回はヤケド(熱傷)です。
実は病院での治療そのものより、深手にさせない初期対応が何より大事。
深い火傷になれば服がビタビタ…程度の不快感では済まされない大怪我になりえます。まずは傷を軽くすることからのザッツ形成外科!
接触時間が結構大事なのです。
服を脱がせるモタモタでどんどん傷は深くなる。
数十度に何分接する方が、数百度に0.1秒接するより重症です。ほら、ライターの炎部分に一瞬指突っ込んでも火傷しませんよね?その理論です。
さて、初期対応の諸注意。
✓水道水で受傷後30分を超えない程度冷やす
✓熱傷が広範な場合、体温低下しないようにとどめる
✓氷や氷水では凍傷になり逆に組織損傷させる可能性もあり要注意
✓受傷部位は、腫れてくるので指輪・時計などは早めに外しておく
病院受診の目安として
・掌一個分以上の面積
・顔面、手、足、陰部の熱傷
・炎や爆発など気道熱傷の懸念
・雷撃傷
・科学熱傷(酸、アルカリなど)
・軟部組織の損傷があるもの(骨折など)
上記のものは自分で様子見ない方がいいです。
一度は病院でみてもらったほうが良いでしょう。
お次は救急科と被りの多い初期対応編に引き続き、今後皮膚科とかぶさりの多い治療編(vol.10)、形成の真骨頂•後遺症治療編(vol.11)と三部作な感じでお送りしていく予定です。乞うご期待です🫡✨
それでは今回はここまで。
2022/11/02 中村優
形成外科認定専門医・博士の中村優です。こんにちは。
今回は二重切開をした方のダウンタイムについてです。
良くも悪くも平均的(だと中村が思っている)ものを提示します。
とりあえず経過まとめ画像から、どうぞ!
はい。ということで大体の流れがこれでわかると思います。
一つずつ解説していきましょうかね。
解説をするにあたり、まず知ってほしいことは腫れにかかわる要素についてです。
1.二重の幅(幅広二重ほど腫れる)
2.侵襲の強さ(手術時間など)
3.内部処理
4.患者の個人差
あたりが大きくかかわる要素です。
なので、先ほどの方のそれぞれの情報を振り返ると
1.二重の幅 結構幅広→腫れは強め
2.侵襲の強さ 手術時間1時間ほど→平均やや早めくらい?腫れ少な目要素
3.内部処理 中縫いなし、反転隔膜弁を皮膚に縫い込む→腫れ少ない
4.患者の個人差 平均的
ということで腫れやすさ腫れにくさの要因の+-が重なり合い、ちょうど想定通りの経過をたどった典型的of典型的な症例だとわかります。
さて個別に解説します。
術直後。
既に腫れは始まってますがここからはいろいろな情報が読み取れます。
まずは平行か、末広か。ラインの走り方は基本的に腫れが引いても変わりません。
今回はラインがぴったり蒙古ひだに乗ったMIXぽい平行。
一番判定しづらいタイプです。が、しっかり蒙古ひだの下に吸い込まれていなさそうので大丈夫そうではあります。
次に眼の開きと二重幅。
この時点でずれてなければ、その後ズレることはまれです。
なので僕は最終チェックがわりとしつこめです。
概ね左右均等な腫れと目の開きですね。GOODです。
術中強い出血や腫れが出てしまった場合は直後に左右差が出ることもあります。けれどそれは腫れが落ち着くと馴染んでいきます。術直後の状態で気になることがあれば執刀医に尋ねてみるのが良いでしょう。
さて、お次。1週間後。
抜糸した直後ですね。お、ラインは無事平行方向に流れてくれそうです。
腫れはある程度おちついてますが、うーんやはり内出血。黄色紫色が出てます。
からの2週間。
お!内出血が落ち着きました!
この画像1枚だけを見たら手術したかどうかってわからなくないですか??
『内出血が落ち着く』これが結構大事なポイントだと僕は考えていて、これをもっておおよそ『瞼の手術のダウンタイムは2週間くらい』と説明してます。
もちろんまだ腫れてるので今後腫れが引いていきます。
完成まで乞うご期待!の状態ですね。
術後いつから働けますか?はよく聞かれる内容です。
正直翌日からだってごらんのとおり、働くこと自体は可能なのです。
あとはどれだけの腫れた状態を患者さん自身が許容できるかだと思います。
せめて抜糸はしてからにしたいか?
腫れが落ち着いてからにしたいか?
手術をしたことがばれたくないか?
価値観によりその答えは変わってきてしまいます。
なのでさしあたりの中村的一つの模範解答
『内出血がおおよそ落ち着く2週間』として今回ご紹介した訳です。
手術内容によって腫れの度合いなどは結構大きく変わってくるので、執刀医の先生といつごろから仕事が再開できるか、話し合ってみるのも良いでしょうね。
ダウンタイムは手術には必ずついて回ります。腫れない二重切開などの甘言に釣られぬよう、現実と上手に付き合っていきましょう。
それでは今回はここまで。
2022/07/07 中村優
形成外科認定専門医・博士の中村優です。こんにちは。
マイナー外科である形成外科の治療を紹介しようシリーズ第8弾!!
今回は巻き爪&陥入爪がテーマです。
4コマ漫画はだいたい実話です。
僕自身酷い巻き爪&陥入爪で肉芽まみれになり、当時形成外科fixした直後の後輩に指導しつつ手術してもらいました。
フェノール法という、巻いてる原因の爪母部分を化学熱傷で焼き潰す方法です。
長所は手術手技が簡単なこと。そして少し爪の幅が狭くなるのが短所です。
ちなみにフェノール法はやや古典的治療法なので手放しに勧められる治療法ではありません。ですが、逆にこれだったら安定した成績が出る!といった治療はまだ定まっておらず治療の難しい領域とも言えます。
参考文献:形成外科診療ガイドラインH27
足の指痛いなぁ…の原因がコレな事は少なくありません。
酷いと手術で治すこともありますが、保存的に多くのケースは改善します。
まずは治せる疾患だと広まってほしい。その心意気がザッツ形成外科!
それでは今回はここまで。
2021/07/02 中村優
形成外科認定専門医・博士の中村優です。こんにちは。
インスタの方に症例写真載っけても、インスタやってないです( ;∀;)という声が続いたので、ブログの方にも載せていこうかと思います。イージーアクセス!
今回は二重切開修正です。
折角のブログなので解説交えながらご紹介しますね。
さて、まずは来院時の状態です。
埋没で希望する二重幅にしたものの、すぐ取れて1度止め直し。
他院にて二重全切開するも取れて再手術を2回。
取れない二重になったものの希望する幅でなく他院に移り小切開を2回。
やはり希望する幅にならずそのクリニックで修正という体で埋没をしてもらうも右が取れた・・状態が来院時の状態。希望は今の左の二重幅になりたい、です。
まずは状態のチェックです。
強開瞼、上方視で見ても開瞼能的には左右差はなさそうです。
二重幅だけ調整しに行けばうまく行きそうかな、という算段が立ちます。
では、二重幅は。
瘢痕の位置と折れ目の位置は必ずしも一致してないことがあります。
今回は一致してますね。赤色のラインです。
左が7mm、右が6mmです。
純粋に左右の切開する高さの違いが今の左右差を作っていそうですね。
つまり重瞼高だけ調整しにかかれば揃うじゃん、と言う算段がつくのです。
(開けてみたらそうでもないこともあるけど)
幅を左に揃えたいとのことだったので左の7mmで切開高を決め2mmの皮膚切除で幅を担保する作戦としました。右は新しく7mmから切り直しています。この時切除上端から眉毛までの距離は要チェックです。今回は17mm。左右の瞼の皮膚余剰が違う時、そしてそれを自覚してないときとかでもここで気づけます。左右差があったらデザインを調整です。
創を開けてみると両側1針ずつ腱膜固定がされていました。
腱膜固定がなされていない状態だと麻酔液の浮腫で開瞼幅は左右差が出ることがあります(これはほっといても直るやつ)。前転固定して左右差があるやつは直りません。直る気がしても直りません。術中所見が全てです(持論)。
直ってくるのではなくその他の要素で目立たなくなるだけです(持論)。
話が戻り。適切に腱膜固定がなされているので術中の開瞼に左右差はやはりないようでしたので、重瞼術だけしっかりやってきました。何度も取れたという教訓より翻転隔膜弁を6箇所以上留めました。
ということで術直後の所見。
術後翌日以降はわかりませんが、術直後は如実に仕上がりの予測ができます。
これでずれてなければズレることはまれです。先日JSAPSで発表した内容ですね。
そしてその後の経過です。
まぁ結局どれだけのことがされてようと、正しい高さで切り直し、全部分解して、正しく組み立て直せば全部治るんですよね。
ここまでの経過時点でもう修正の必要なし。
満足しました!との患者さんからのお声をいただけました。
よかったよかった。
最後に拡大比較画像も載せておきます。
今後手術を検討されている方の何かの参考になれば幸いです。
それでは今回はここまで。
2022/07/01 中村優