美容・形成外科医 中村優のブログ

美容・形成外科・メディカルイラストレーションなどについて書いていきます。

奥二重をぱっちり二重にする方法

こんにちは。形成外科専門医の中村優です。

今回は奥二重を二重にする方法について説明します。

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左右、これは2つとも二重の人の瞼の絵です。
左図では外側だけしか二重のラインは入っていませんが二重は二重ですよね。
でも現実ではこんな感じの二重では理想のラインじゃない、これは奥二重です!ということで結構外来に受診されます。パッチリとした二重になりたいです!と。
これはどういった事が起きているのでしょう。解説していきます。

 

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緑線で示したように、瞼の開き(黒目の見え方)は左右でほとんど違いはありません。
また、真の二重幅(睫毛の際~二重の折返しの線)も左右でほぼ一緒です。
では左右の違いは?
二重のラインより更に眉毛側において皮膚のたるみが左では強い
なので、見せかけの二重幅(睫毛の際~皮膚の垂れ込みの間)がとても狭くなっています。
左の見せかけの二重幅が緑線の間の距離ですが、右では皮膚の垂れ込みがない分、幅が出ていることがわかります。
この様に見せかけの二重の幅は、真の二重の幅が一緒だとしても、皮膚のたるみの状況次第で大きくも小さくもなりうるのです。
 

では、実際問題。どうすれば、幅のある二重になれるのか?

この解決方法は大きく分けて2つ。
1. 真の二重幅を広げる。
2. 皮膚のたるみを減らす。

それぞれ解説していきます。

 

 

1. 真の二重幅を広げる。
これは解決方法的には手術療法では埋没法や切開二重など、非手術療法ではアイプチ、アイテープなどです。例として、左が幅広い位置で埋没をしたもの、右が元の状態です。

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この様に垂れ込みを押し上げるように真の二重幅を広げれば、見せかけの二重幅は広がります。ただどうしても皮膚のもたつきは残ることになります。また、非手術療法であるアイプチ、アイテープですが、これらは一時的には良いですが長期使用はオススメしません。これらは瞼の皮膚にたるみを生じさせるので、長期的に考えるととても不利なことをしていますよね?

 

 

さて、それでは、もう一つの解決方法を解説していきます。

2. 皮膚のたるみを減らす。 

これは解決方法的には皮膚切除が必要です。部位的には、重瞼線か眉下での切開が一般的です。非手術療法はありません。例として、左がもたついた皮膚を切除したもの、右が元の状態です。

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そうですね。はじめの絵の左右が逆になっただけですね。垂れ込んだ皮膚の切除は真の二重幅を掘り起こす手術と言えます。では実際どこの皮膚を切除するのか。

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図で示した緑の範囲の皮膚切除が眉下切開、赤が重瞼線切開です。
表面から表すと、、

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これが眉下切開で、、、

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これが重瞼線切開(いわゆる普通の切開二重)です。

 

大きな違いは切開線が眉毛の下に隠れるか、二重ラインとして隠れるかでしょう。
しかし、重瞼線切開の場合、切除が大きくなる場合は目の外側よりも広く皮膚を取らざるを得ず(水色ライン)、二重ラインでは隠れきらず、笑いジワに隠れるように切開線を考えていく必要が出てきます。

また、瞼の皮膚を取るか、額の皮膚を取るかの違いもあります。瞼の皮膚というのは薄く目元のごく狭い領域(下図緑)だけです。眉毛下の領域は分厚く、属性としては額の皮膚に近いもの(下図赤)です。

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基本縫い合わせられるものが同じであると良いのですが、薄い瞼の皮膚と分厚い額の皮膚が縫い合わされると質感があいづらく、時に違和感を生じさせます。眉下だと額の皮膚同士で大抵縫い合わせられますが、重瞼線だと瞼と額の皮膚同士で縫い合わせる場合がしばしばあるのです。切除幅が広い時は特に眉下のほうが質感を揃えやすいと私は考えます。

 

さて、色々お話してきましたが、最後に。

今回は奥二重をぱっちり二重にする方法をお話してきました。ですが、ひとそれぞれにどの方法が向いているかは異なるため、術式の選択については診察を受けて主治医と相談して決めるのが良いと思います。なので、今回、確実に言えることは・・・

 

まとめ

奥二重をぱっちり二重にするには
・真の二重幅を広げる

・二重のライン上の皮膚のだぶつきを処理する

 

 

 この2つの方法があるということです。
それではここまでお付き合いいただきありがとうございました。
貴方が素敵な二重になれるようお祈りしております。

 

2020/10/10 中村優