美容・形成外科医 中村優のブログ

美容・形成外科・メディカルイラストレーションなどについて書いていきます。

図解!目頭切開の手術方法② W法と三日月法

こんにちは、形成外科認定専門医・博士 中村優です。
今回は目頭切開、W法と三日月法のお話です。

前回の2つ(Z法とリドレープ法)は皮膚切除をあまり伴わないものでした。
今回の2つの技法は結構大掛かりに皮膚の切除を行うものです。では、順に見ていきましょう。

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内側M字の頂点部分と涙湖部分を縫い合わせるときに靭帯を縫い縮めることが矯正力の主体です。それを更に2枚の三角弁が引き戻されるのを防止するため、内側への矯正力が強いのが特徴です。
皮膚切除を伴うことから、出来栄えに満足行かない時に修正が難しい場合があります。
余談ですが、その引き戻りの抵抗力を利用して、同じプロセスを目尻側でやる目尻切開方法もあります。

 

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皮膚切除が主体での蒙古ひだの矯正を行い、シンプルなデザインなのが特徴です。
今やっている方はまだおられるのでしょうか。矯正力、調整ともにやや融通が聞きにくい手法です。W法と同じく皮膚切除を伴うことから、出来栄えに満足行かない時に修正が難しい場合があります。

 

今回の2手法は皮膚切除がそれなりにあることから、手術をしたは良いけど、もとに戻したい!という時の修正が困難です。

 

そういう意味では前回紹介したZ法なんかでは・・・

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皮弁の入れ替えによる内側への引き込みを行っているため、反対の手順を行えば蒙古ひだを作り直すことが理論上は可能です。

実際は多少のトリミングを伴っていたり、瘢痕形成などがあったりするので完全には戻りません。ニュアンス的には近い状態に戻せる、くらいの意味合いに捉えてください。

 

その他の手法もありますが、目頭切開図説シリーズは一旦ここまで。 

次回こそたるみとか眼以外の解説をやりたい・・・

 

では、今回はここまで。

 

2020/12/14 中村優