美容・形成外科医 中村優のブログ

美容・形成外科・メディカルイラストレーションなどについて書いていきます。

ザッツ形成外科!! 接触時間×温度=破壊力!! ~火傷の初期対応~

形成外科認定専門医・博士の中村優です。こんにちは。

 

マイナー外科である形成外科の治療疾患を紹介しようシリーズ第9弾!
今回はヤケド(熱傷)です。

 

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実は病院での治療そのものより、深手にさせない初期対応が何より大事。
深い火傷になれば服がビタビタ…程度の不快感では済まされない大怪我になりえます。まずは傷を軽くすることからのザッツ形成外科!

 

接触時間が結構大事なのです。
服を脱がせるモタモタでどんどん傷は深くなる。
数十度に何分接する方が、数百度に0.1秒接するより重症です。ほら、ライターの炎部分に一瞬指突っ込んでも火傷しませんよね?その理論です。

 

さて、初期対応の諸注意。
✓水道水で受傷後30分を超えない程度冷やす
✓熱傷が広範な場合、体温低下しないようにとどめる
✓氷や氷水では凍傷になり逆に組織損傷させる可能性もあり要注意
✓受傷部位は、腫れてくるので指輪・時計などは早めに外しておく

 

病院受診の目安として
・掌一個分以上の面積
・顔面、手、足、陰部の熱傷
・炎や爆発など気道熱傷の懸念
・雷撃傷
・科学熱傷(酸、アルカリなど)
・軟部組織の損傷があるもの(骨折など)

 

上記のものは自分で様子見ない方がいいです。
一度は病院でみてもらったほうが良いでしょう。

 

お次は救急科と被りの多い初期対応編に引き続き、今後皮膚科とかぶさりの多い治療編(vol.10)、形成の真骨頂•後遺症治療編(vol.11)と三部作な感じでお送りしていく予定です。乞うご期待です🫡✨

 

それでは今回はここまで。


2022/11/02 中村優