二重手術のダウンタイム
こんにちは。形成外科専門医の中村優です。
今回は二重手術のダウンタイムについて説明します。
ダウンタイムとは術後の腫れや皮下出血など、人前に出れるように目立たなくなる期間のことをさします。
二重手術は大まかに分けて埋没法と切開法があります。
現在私は以下のように説明しています。
埋没法
3~7日で90%、1ヶ月で99%程度腫れが引きます。
切開法
抜糸は1週間
2週間で90%、4-6ヶ月で95%程度腫れが引きます。
ここで術後数週間とかでダウンタイムで悩まれてる方に知っていて欲しいこと。
傷が落ち着くまでにはこのように、基本的には半年かかります。
形成外科の専門医試験の書類審査では術後半年の症例写真がないとどれだけ成績が良くても認めてもらえません。それぐらい、傷をきれいにするのは最後は時間なんです。
左右差、予定外線(参考:不安なダウンタイムを乗り越えるために)など手術の侵襲が大きいほどそのような術後ダウンタイム中の気になることは多くなるでしょう。しかし、マッサージや薬などでは基本的に改善は見込めません。
特にまぶたの手術では、その他部位より左右差を気にされることが多いです。
左と右のまぶたは別の部位です。違う手術を2個同時にやっているわけです。
なのでその腫れは、腫れの引き方はそれぞれ独立しています。
つまり腫れの引き方は必ずしも左右対称ではないということです。
ダウンタイム中の左右差が気になる場合でも、左右一緒の手術がされていたのであればダウンタイムが明けたときにはきっと左右の差なく望んでいた状態に落ち着くことでしょう。
心配であればその間に、主治医にその気持を相談しに行くことは有効な手段です。
そして、ダウンタイム中に別ドクターに相談するのはあまり有効でない場合が多いです。youtubeやブログなどの他の手術経験者の腫れが引くさまを参考にするのも良い方法でしょう。更に、もしダウンタイム中の修正を提案された場合はかなり警戒したほうが良いと思います。術者ならともかく、他者がダウンタイム中に左右差なんて正確に判断できるはずがないので、その診断・治療はインチキな可能性が高いです。
不安な状態の人を騙すのは容易です。
ダウンタイム中は皆が不安な状態です。
甘い言葉や、やたらと不安を煽る情報に踊らされず、ぐっと我慢の時期です。
頑張って乗り切りましょう!
2020/09/29 中村優