美容・形成外科医 中村優のブログ

美容・形成外科・メディカルイラストレーションなどについて書いていきます。

~美容外科学会(JSAPS) in 小倉~ こんな情勢でも現地まで学会参加しに行った2つの理由。

こんにちは、形成外科認定専門医・博士 中村優です。

 

 

すっかり更新が滞っていました。

それもこれもクマの図説シリーズをどう描くかに思い悩んでスランプ状態になっていたからです。やっとそれもかけたので次回更新でアップしますね。

 

 

それはそれとして2月24,25日に日本美容外科学会(JSAPS)in 小倉に参加してきました。

知らなかったですが、小倉は漫画の街、松本零士先生の街だそうです。

駅降りてすぐにキャプテンハーロックがいました。

 

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奥に見えるリーガロイヤル小倉が学会会場です。

 

今の御時世、学会のためとはいえわざわざ現地に行く意味あるのか?

これは大きく分けて2つ。 あります、理由。

 

1つ目。

美容の発表ではスライドの中で患者の顔の写真が流れます。WEB開催の学会だと、容易に流出する恐れがあり、流出した際に直撃で個人が特定できてしまう懸念があります。

例えば、外科学会など内臓の写真が流されても個人の特定って困難ですよね?そういう意味で形成外科・美容外科の学会はWEB開催と相性が悪く、現地に赴かないと演題が見れないんですよね。

知識のアップトゥデイトをしなくなったら医師失格だと思っています。最新の術式を仕入れることは、自身のためでもありますが患者さん利益にも繋がりますからね。

 

 

2つ目。

他施設のドクターとの交流ができる。

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左から日医の朝日先生、城本クリニック門屋先生、小川先生、私。
最近の患者の傾向、術式の工夫、マーケット動向など。。。いわゆる業界オフレコトークもたっぷりしてきました。WEB学会だと演題を聞くことしかできないので、このように交流ができるのは、現地に人が集まるからこそ出来るのです。

 

本当なら飲みの席で・・・!と、行きたいくらいですが、それは流石にもっと大丈夫なご時世になってから。また次回以降で。

 

そんなこんなで現地に行った価値あり!な色々なものを吸収してきた二日間でした。


それでは、今回はここまで。 

 

2021/02/16 中村優

クマですが、なにか? 赤クマって何よ?編

こんにちは、形成外科認定専門医・博士 中村優です。
イラストばかり書いているせいで、先日Twitterで「先生は執刀もされるんですか?」と聞かれてしまった中村です。しますよ執刀!?
そんな中、やはりまたイラストの更新です。

 

今回は赤クマについてです。

 

クマ取り関連はこちらも参考にしてください。。
 →なぜできるかpart1, クマのいろみの種類part2,クマ取りで起こる注意事項;術後変化part3

 

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赤クマ自体は眼輪筋の色が皮膚から透けて見えている状態です。これは①瞼の皮膚が薄いこと②瞼の皮膚には直下に筋肉があることなどから生じる現象な訳です。

 

ですので治療としては①眼輪筋の押し出しを軽くする=除圧、あるいは②眼輪筋より浅い層になにがしかを充填するの2つに大分されます。その分類の中で、それぞれ細かく手術技法があるのですが、あまりに専門的がすぎるので今回はそこまでは触れません。

注意としては適切な診断に適切な治療を施すことで病態は解消されるということにあります。何がいいたいかというと、赤クマでないものにこれらの治療をしてもクマは解決しないだろうということ。また、その他の病態との複合したものであったら、赤みの要素のみ解決して、一部残るということです。

赤クマはとれたけど、茶クマ(シミ、色素沈着等による)が残る!や、ゴルゴ線が残る!などがその典型です。

ということでその他のクマについても今後イラスト解説していきます。

 

近々。 


それでは、今回はここまで。 

2021/01/25 中村優

クマ取り手術の術後の変化について

こんにちは、形成外科認定専門医・博士 中村優です。
先日ipad proを購入したんですよ。

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これでイラスト作成が捗る!!
と言って、前回更新に載せたように呪術廻戦のイラストばかり描いていたら仕事しなさい!と妻に怒られましたよね。

・・・と、言うことで仕事します。
本日のテーマはクマ取り手術の注意点についてです。
そもそもクマってなんなのよっていうことに関して、今まで2回記事を書いています。 →なぜできるかpart1, クマのいろみについてpart2

 

もう一度軽くまとめますと。
眼球のクッション材的な役割を果たす眼窩脂肪(オレンジ)は、眼窩隔膜(水色)の中に収納されています。それが
重力に従い下瞼部分で重みに負けてくると前方に突出してきてクマとして現れてくるのです。これは隔膜のたるみ(加齢)が原因であったりそもそも眼窩脂肪が多いことが原因だったりします。

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それに対する手術として、中でもお手軽なものは下眼瞼脱脂術と呼ばれます。
更にその中でも最近の流行り的によく行われている施術が「経結膜脱脂」だとか、「切らないクマ取り」だとか呼ばれています。

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比較的容易に脂肪が除去でき、それなりの結果が得られるので自称クマ取り専門医が横行したりする原因となっているわけです。

けれども、本当は脂肪とりゃ良いッていう簡単な手術ではないのですよ。
それは下瞼だけでおさまらない術後の位置変化が生じうるからです。

どういうことか。まずはこのイメージ図を御覧ください。

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ウイスキーに浮かぶ氷。ウイスキーが多いほど氷は高く浮きますよね?
ウイスキーは眼窩脂肪、氷は眼球だと思ってください。同じようなことが眼窩で起こるのです。つまり。

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上瞼がくぼむ、窪み目やsunken eye(左)になる可能性や、眼球の位置が奥まる、奥目になる(右)可能性がある、ということですね。

 

では、これを防ぐためにはどうすればよいか。一番純粋かつ明快なのは「取りすぎない」こと。ピッタシor気持ち少なめの切除を心がけることが大事だというわけです。 

 

 


 最後に全部まとめた状態のイラストもアップしておきます。

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これをtwitterであげたところ、結構な反響を頂きました。
ということで、次回はこの続編として脂肪移動術(ハムラ法)と脱脂の違いや、脂肪注入についての解説をしたいと思います。

それでは、今回はここまで。 

2021/01/18 中村優

イラスト 呪術廻戦の好きなキャラたち3人

今回は全然医学と関係ない更新。

これまでに描いた絵を何点か載せます。

 

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真人 

一番好き。趣味が悪いところが好き。えぐい。

自閉円頓裹の演出が本当にいいよね。

 

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虎杖悠仁 運が悪い主人公。真人と宿儺と作者にいじめられている。境遇がエグい。

 

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五条悟 ま、なんとかなるっしょでなんともならない事態を招いた張本人。

 

2000万部突破してすごい勢いですよね。
脚太ぇって!!の頃から好きだったので、個人的にはにんまりです。

 

2021/01/14 中村優

目尻切開が良い適応になるのってどんな人?

こんにちは、形成外科認定専門医・博士 中村優です。
眼精疲労がひどい中、本日のブログ更新です。
ブルーライトカットメガネを近日導入予定。

peingという匿名質問サイトをtwitterで連動していろいろな質問にお答えしています。
それに先日寄せられた質問がこれです。

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ということで図示したものが以下の通り。

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目尻側の切れ込みが浅い人やツリ目な人は、中段のイメージに近く出来る可能性があります。目が横に広がり、若干ツリ目が解消されます(方法にもよるけれど)。

一方で、目尻を引っ張ってすぐに粘膜がでてくる人はあまり効果が出ないばかりか不自然になりやすいので注意が必要です。

 

 

peing、匿名で質問できるので興味あることあれば是非質問してください。
それで良さげなイラストが増やせれば僕も願ったり叶ったりです。
 

それでは、今回はここまで。

 

2021/01/14 中村優

眼瞼下垂の典型症状と治療による改善

こんにちは、形成外科認定専門医・博士 中村優です。
あけましておめでとうございます。

年末の繁忙期ゆえすっかり更新をサボっておりました。今年は地道にイラストの増産をしていき、この解説用ブログも充実させられるようがんばります。


さて、本年最初の更新は、眼瞼下垂の典型症状と治療による改善について症例写真を交えながら提示します。

眼瞼下垂では自覚症状としては

①目を開くときに力が必要になる
②視野が狭くなった
③まぶたが重くなった
④眼精疲労、頭痛、肩こりがある

などがあります。瞼を開けようとしても開かないので①②③が生じ、常に全力でまぶたを開けようとするために④が起こるのです。


くわえて、眼瞼下垂は顔、見た目にも変化が現れます。

①目つきが悪くなった、眠たそうなどといわれる
②まぶたの形が変化し、くぼみが目立つようになった
③重瞼線の幅が変わり、三重などに乱れる
④目と眉の間隔が広がってきた
⑤額にシワが寄る など

それでは実際の症例写真で見てみましょう。

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④⑤は瞼を開ける筋肉=眼瞼挙筋が一人で機能を果たしきれないため、額の眉を引き上げる筋肉=前頭筋でそれをカバーしようとするため起こっています。
では適切な治療がなされるとどうなるかを次に提示します。

 

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瞼が開き、額のシワが減っていることがわかります。
力を込めずとも瞼が開くようになると、自覚症状としての頭痛、肩こりなども改善することが多いです。

 

最後に術後経過のまとめを載せておきます。
正面視(左)と強開瞼(右)です。

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頑張ってまぶたを開いたときには3ヶ月後でも以前と同じような額のシワがよっています。つまりそれだけ平常時には額の力を入れる必要がなくなった訳ですね。

このように、眼瞼下垂の治療は正しい適応の方に正しい治療がなされれば、良好な機能的・整容的な改善が得られます。

症状にお悩みの方はまずは一度診察を受けてみることをオススメします。

 

今回、症例写真を提供していただいた患者さんに感謝いたします。
今後も患者さんのためになるブログ作りに励みます。

主訴:目の開きづらさ
診断名:眼瞼下垂
患者:80代・男性
治療内容:挙筋前転
リスク・副作用:腫れ、内出血、左右差、感染、イメージ違い
        元に戻せない、修正困難、傷目立つなどのリスクあり
手術費用:保険適応3割負担で43200円(1割負担であれば、14400円)。
     その他術前検査、術後の診察代、薬剤の費用が別途あり。
 

それでは、今回はここまで。

 

2021/01/01 中村優
2021/12/09 中村優(追記)

ディズニーランドの一番楽しかったアトラクションは?

こんにちは、形成外科認定専門医・博士 中村優です。
今回は医学とは関係ないお話。

 

上の子ちゃんは旅行が大好き。
僕「ディズニーランドの一番楽しかったアトラクションは?」
上の子ちゃん「ベイマックスの!」

 

 

・・・ベイマックスの?

 

 

 

 

 

 

 

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これっすか。

上の子ちゃんランキング

1位  ベイマックス
2位 (アリスの)コーヒーカップ
3位  シーにあるヤドカリのやつ!

 

 

どうも、ぶん回される系が好きらしい。

 

 

では、今回はここまで。

 

2020/12/16 中村優